『ＴＨＥ.LOST.INNOCENT』FANATIC◇CRISIS

1999年2月にリリースされた、
ＦＡＮＡＴＩＣ◇ＣＲＩＳＩＳ
メジャー2ndアルバム。バッキバキの
デジロック（死語？）も
優しいアコースティックナンバーも、前向きポップチューンも
何でもあり。ぶっちゃけ散漫？しかしその曲達を貫く
"喪失"の気配・・・それがこのアルバムに圧倒的な陰影を
与えています。全15曲のカオスの海から、過去と未来に、
宇宙と永遠とに向かって拡散していくイマジネーションは、
実は自らの内奥、魂の在りかへと切り込んで行く孤独な
旅と表裏一体なのです。歌声も曲も音色もまだ若いけど、
そんな旅を必死にひたすらに戦っている、その精一杯さが
痛々しくて、いとおしい、そんなtotal70分。

あと、ＣＤの盤面がキレイなピンク色でかわいい（初回盤）

＜参考図書：村上春樹『スプートニクの恋人』＞
参考もなにも、話そのものは全く関連性はないのですが。
読んでると"ＴＨＥ.ＬＯＳＴ.ＩＮＮＯＣＥＮＴ"と
いう言葉のことを思い出します。『スプ恋』も
喪失の物語だ。
そういえば努（ＦＡＮＡＴＩＣのVo.)は雑誌の
インタビューで"ＴＨＥ.ＬＯＳＴ.ＩＮＮＯＣＥＮＴ"を
「失われた無垢なひと」と訳していたなあ。